ノーネームと申します。
8世代のヤケモン対戦史 恐らくこれで最後になると思います。
前回、前々回は↓からどうぞ
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2021年10月中旬 DLC第2弾『冠の雪原』配信/冠の雪原環境議論
新ポケモンとしてのカントー3鳥のリージョンフォーム、レジエレキ・レジドラゴ、レイスポス・ブリザポス、バドレックスを含む約60種類のポケモンが冠図鑑として、そして準伝説・伝説のポケモンもすべて解禁された。一般ポケモンに種族値で勝る準伝説とダイマックスが併さって環境がそのままなんてことはなく役割論理も否応なしに飲み込まれていくのであった…中でも最も大きく環境を変貌させた要素といえばサンダーの暴風習得であり、ダイマックスアタッカーとして一気に凶悪化、電気受けではなくサンダー受けが必要となり、同時にサンダー受けに強いポケモンの採用率も上昇、かつてないパワーインフレの中で冠ヤーティの枠組みが定まっていくと同時に多様化するアタッカーへの対処に頭を悩ませることになる
議論はまず冠の雪原にて解禁される候補の議論(12月上旬)そして既存ヤケモンに対する議論(第5回、第6回昇降格議論)の3回に分けて行われた
強くなったヤケモン
…念願の暴風習得により有利対面から安易なフェアリーの後出しを許さないように 威嚇と耐性に加えダイマックス時の性能からエースバーンをはじめとする物理アタッカーに対する性能を認められ議論では満場一致で昇格となった。鎧の孤島時代エースバーン対策として用いられてきたヤャラドスに比べるとやはり裏への負担の大きさが段違いで、竜星暴風で負担をかけ、ハイドロポンプでカバランドを葬り、大文字でカグヤナットを焼く、と三面六臂の大活躍で若干地味だった7世代から一転、不動のヤーティのエースへと駆け上がった。(通常山田自体は2軍でしたが)
…暴風習得という未だに修正されないバグによりめざパ廃止でもおつりがくるほどの攻撃面の強化を得た。暴風によりこれまでは役割を持たれていたドラゴンに大しても後出しを許さなくなり最高峰の崩し能力を持つヤケモンとしてこちらも満場一致で昇格となった。山田と比べ火力自体は高い一方明確な有利な範囲は若干狭めであるため注意は必要であるものの、逆に悪くない耐久・少ない弱点と併さりこちらは明確に苦手な相手が少ないという役割のもたれにくいヤケモンとして君臨することとなる。
…サンダーの暴風習得は異教徒役割論理界隈関係なく環境変化の根底を担った為、自然とサンダーに役割を持てるヤケモンに注目が集まることになった。前世代はチョッキテテフ、メガヤンギラスといった汎用特殊受けの存在、Zの瞬発火力に押し切られがちとあまり良いところがなかったがサンダーやガラルファイヤーの流行によりダイジェットに受け出し、氷技で遂行できるヤジアイスも評価され、ヤケモンとして返り咲くこととなった。尚、フリーズドライは与えられず。なんで?(殺意)
…第3のエースバーン対策枠 山田と比較するとヤャラドス同様一致技が一つであるため引かれた場合に負担が小さくなるという欠点を抱えつつもエースバーン・ドリュウズに加えミミッキュに対する安定感をヤーティに与えることができるためこちらも高い評価を受け満場一致で昇格した。ダイマックスしても強いがヤンドロスの真価はある環境で発揮されることになる。
(チョッキ)…ヤジアイス同様サンダーの台頭により注目を浴びた。ヤジアイス・ヤンギラスと比較するとチョッキ込みでもやや不安定かつ火力アイテムを持てない一方、ウツロイドにも役割を持て、尚且つミミッキュの後出しも許さない点で勝る。尚鉢巻ヤンデヤンデはあっさり落第してしまった。悲しい。
…上記のように環境がサンダーを中心に回り始めたことからサンダーメタのメタポケモンの使用率も上昇、その代表格がウーラオスである。威嚇を用いた誤魔化しもできない対策困難ポケモンに対し、数値と耐性で安定するヤケモンとしてヤッシブーンが注目を集めることとなった。同じような枠のレヒレ・ブルルと比較すると単純な物理耐久の高さ、ガブリアス・マンムー等地味に対策の難しい物理アタッカーにも役割を持てる点で優れている。
…アシレーヌ・マリルリの登場により着々と活躍の場は増えていたがウツロイド・カプ・レヒレの登場で採用する意義が大きく上昇した。個人的にはまだ7世代の雄姿には程遠いと思っているが辛酸を舐めた初期と比較するとようやくヤットレイの春が来たといえる。
…ヤットレイ同様かつての役割対象である霊獣ランドロスやテッカグヤの登場で出番を増やした。役割対象の増加により以前から優秀とされていた火力を発揮できる場面の増加にもつながり、水・電タイプのライバルがインフレについていけなくなったというのもあるが微妙な立ち位置だった初期環境から一気にヤーティの主力へと躍り出ることととなった。
…ジバコイル程度しか役割対象のいなかった鎧の時期と比較し、レジエレキ・フェローチェという役割対象が出現しようやく火力を活かせる環境へ 電気対策を担った前作からすると電気トップメタのサンダーに役割が持てないのは痛いが…
弱体化したヤケモン
…直接の弱体化は受けなかったもののダイマックスによる耐久上昇によりCの低さが浮き彫りになった。役割対象自体はウオノラゴン・ウーラオスと絶対に替えの利かない範囲を持っており、ミストメイカーによる味方のサポート性能は健在であるものの、万能ヤケモンだった7世代と比較して使いにくさは否めない。
/(落第)…前作では2体ともヤケモン2軍であったがヤイリューは山田の暴風習得したことからあえてあえて採用する理由がなくなり、ウツロイドはヤンギラスと比較しやはり耐久面に難があるため落第となった。決して完全な劣化ないもの山田・ヤンギラスと比較し強みが出るという場面がやはりサイクル戦の中で活きにくいのである。ただ山田ヤンギがいなければ昇格していただろうなとは思う。
(落第)…前作では汎用特殊受けとして大活躍だったがサイコフィールドの倍率低下、ダイマックス環境では遂行したい相手に対し耐久も火力も足りない…等ヤジアイスの立場を奪ってしまった前作と一転こちらの欠点が目立つようになってしまい落第してしまった。
落第)…前作では珠を占有できるコケコ・ボルト受けとして活躍したが、今作ではそもそも珠力尽くとダイマックスの相性が悪さ、電気最王手のサンダーが受からない等強みがなくなってしまった。
/(落第)…ヤティ姉妹の落第が2021年役割論理の世界で大きな事件だったのではないだろうか。長らく役割論理を支えてきたヤケモンだが環境の変化には逆らうことはできず暫く一線を引くこととなった。
原因としては
・サンダーの暴風習得による電気方面への役割がほぼ消失したこと
・環境で生き残った格闘に対し役割どころか不利であること(エースバーン/ウーラオス/フェローチェ)
また、役割関係のない対面からの強引な崩し能力もヤティの魅力ではあったがダイマックスによってそれもやりにくくなったことが挙げられる。不意のダイマをされるとヤティでは削り切れないし、またヤティ自体のダイマックスがそこまで強くないというのもある。
/(落第)…7世代ではメガを前提とした運用だったがやはりメガを失って通常形態では運用が困難とされて落第することとなった。メタグロスはいったんは昇格したものの鋼としての能力の低さ、強みであった対流の不安定さを指摘され既存ヤケモンの剣盾第6回昇・降格議論で落第することとなった。
・(落第)…登場以来主力としてヤーティを支えてきたヤケモンたちだがインフレによって耐久が不足するように 特に水/フェアリーはレヒレの項目で述べているように凶悪な物理アタッカーを相手にする必要があり、アシレーヌ自体の刺さりも鎧時代ほどではなくなったため、繰り出せる程度の耐久が要求され、結果としてそれを満たせないヤシレーヌは落第することとなった。ヒートヤトムはリザードンやトゲキッスが環境からいなくなり代わりに帰って来たテッカグヤはメテオビーム持ち…と役割対象が激減して採用する意義を見出せなくなってしまったため落第することとなった。
剣盾第5回及び第6回昇・降格議論では既存の(鎧の孤島まで)のヤケモンにも冠の雪原環境でも通用するかのメスが入った。その結果ヤザンドラ・ヤリジオン・ヤャンデラ・ヤゲキッス・ヤルガルド・ヤルビアル等など多くの既存ヤケモンが落第する死屍累々の結果となった。
2021年2月~禁止伝説戦開幕(シリーズ8)
冠の雪原議論が終了し一息をついた所、公式から耳を疑うようなルールが発表される。
そう、言わずと知れた竜王戦ルールである。役割論理専用wikiには(一応)禁止伝説戦の考察ページがあるものの実際は禁止伝説を複数採用した6350想定のもので尚且つ机上論の部分が多く実質手探りの状態で禁止伝説ランクマッチに挑むことになった。
その中で禁止伝説の中でダイマ不可というハンデを持っても圧倒的性能を持つザシアン、ダイマックスが強烈な日食ネクロズマ・イベルタル、登場以来水技の火力だけで禁止伝説の使えるルールで一線級を保つカイオーガ、ザシアン同様ダイマックスできないものの高水準のステータスを持ちアタッカ・耐久両方可能なムゲンダイナ、ザシアンを超えるSから強烈な霊技を放つ黒馬バドレックスが伝説の中では1つ抜けた存在として注目されることとなる。またシリーズ10では禁止伝説1体投入可能且つ念願の(?)ダイマックス禁止ルールが採用される運びとなった。
注目されたヤケモン
/…規格外の火力・対ダイマックス技・優秀な耐性・無振りでも100族を抜ける素早さ・専用持ち物で他のヤケモンに神器を回せる…とダイマックスをできないことを加味してもそれを補って有り余る性能を秘めたガラルの禁止伝説ヤケモン ヤシアン自体もメジャーなミミッキュやウツロイドに加え。イベルタルにキュレム、ゼルネアスと禁止伝説に役割を持つため強力なヤケモンといえる。当然禁止伝説の中でもずば抜けた性能を持つが基本的に接触技がメインのためゴツメ・静電気・炎の身体に弱く、このルールでザシアン対策の無いパーティなんて存在しないため、相手がどうメタっているかしっかり見極めた運用が必要になる。また基本的に朽ちた剣を持たせるが、鉢巻を持たせるとじゃれつくがヌオーでも止まらなくなるため一部では鉢巻を持たせることもあった。
…2つの準専用技が優秀なザシアンメタになりうる禁止伝説ヤケモン インファには注意だが基本的にザシアンには有利加、えて高火力のエスパー技の存在・弱点軽減のプリズムアーマーの存在からムゲンダイナに最も有利な安定感重視の禁止伝説ヤケモンである ヤシアンと違いヌオーで止まらないが 鋼には案外止められてしまうため注意。数値の化身となる強力なダイマックスに反しフォトンゲイザー素体のダイサイコは特殊でサイコファングを投入すると残りの1枠に地震・ストーンエッジ・熱風とサブのスペースが狭まる…とメタグロスのように技に悩むヤケモンである。
…耐性は微妙だが水1/4によりカイオーガに役割の持てるシンオウの空間竜である。Wヤュレム共々オーガサンダーナット対策として注目を浴びることになった。火力も範囲も優秀でカイオーガがいない場合でも弱点の少なさから活躍の開会は大きいが禁止伝説ヤケモンの中では若干脆い面があるため注意が必要である。
…禁止伝説ヤケモンの中でもトップクラスにダイマックスが強烈な空間の神 少ない弱点と広い技範囲、自らの耐久を強化するダイマックス技で並のポケモンでは太刀打ちできない数値の塊と化すがウーラオスやランドロス等禁止伝説環境で使われるヤケモンと弱点が被りがちでこれらが露骨に重くなってしまうという事は稀によくある。耐性的にヤルキアやヤシラム、ヤゲンダイナと比べてサンダーにより役割を持てるはずなのに怪電波でいまいち安定感がないのはご愛敬。
…本来ならばヤーティ神の化身 と呼ぶべき高貴なる存在なのだが 禁止伝説が1体しか入れることのできないルールだと厳しいものが多.い。 タイプ上有利なはずのネクロズマはダイマ+弱点保険が絡むと苦しく 明確に有利なのは黒バドレックス程度である。バドレックスに役割の持てるヤケモンは貴重ではあるのだがそれだけの為に禁止伝説の枠を割きにくいのも現状である。個人的には禁止伝説級を複数採用可能なルールだと一気に強くなる存在だと考えている。
…じゃれつくとインファを習得したことにより伝説の威厳と引き換えに物理型も可能に ザシアンやネクロズマには注意が必要だが特殊型と思って出てきた特殊受けを粉砕しまくる試合が多発、総合的にロジックして受け構築に強い存在になることに。
/…環境トップメタのザシアン対策となる2体である。耐久に振っても巨獣斬は相当入ってしまい、それぞれワイルドボルト・かみくだくを持たれていた場合破壊されてしまう、がそれでも鋼・妖・格闘の範囲を半減する存在が貴重で本ルールにおいては安定した活躍が可能だった。両者とも火力自慢のヤケモンであり、ヤァイヤーはヤラヤラより若干耐久で勝り、炎,の体による勝ち筋が狙える、浮いていることにより、地震持ちのネクロズマにも強い、ヤラヤラは壁要因やレジエレキに強い、専用持ち物で神器を他に回すことが可能とそれぞれ利点がある。
/…水無効によりカイオーガ対策として脚光を浴びた。水無効は他のヤケモンにはない持ち味である一方相手からしても交代することはバレバレで 交代際の冷凍ビームが割と痛い、カイオーガに繰り出せても控え目のAC種族値故神器を持つかダイマックスでもしないと後続の負担が軽いなど悩ましくダイマ禁止のシリーズ10ではそれがより顕著になった。カイオーガ対面でナットレイが出てきたりサンダーが出てきたりするのでなおさらである。しかし禁止伝説の対策枠を1枠に圧縮できることは大きく禁止伝説がヤルキアやヤュレムでもない限りは大体ヤーティに投入されていた。また、水無効の枠として2軍候補未満ながらエレザードが起用されることも稀にあった と言われている。
…サンダー他対策必須の黒馬バドレックス、イベルタル、レシラム、Wキュレムにも役割を持てるため大体のヤーティで採用されることになる。破格の役割範囲を誇る一方で持ち物が帯になりがちでザシアン、ウオノラゴン、ウーラオス等の低負担降臨を許しがちになるため注意。鉢巻が回ってくれば強いが…
シリーズ10
(鉢巻)…シリーズ10にて一部で密かに人気が上昇 禁止伝説に対する刺さりは微妙なもののランドロス、マンムー、ウーラオス、ウオノラゴンなどこちらのヤーティを上から粉砕する強力な物理ATに対し強めなことが理由である。単格闘ゆえの一致技の範囲と地味にサブの火力の低さ、ほぼ鉢巻を占有してしまうことはデメリットだが耐久力は間違いなく高く、意外な強さを見せることになる。
…シリーズ10になると鉢巻ヤンドロスが安定した活躍を誇るようになった。ダイマ禁止の恩恵を受けるザシアン・ムゲンダイナに対し高い打点を持てるようになり、一般的な物理受けとして用いられたヌオー等に受けを許さずゴリ推すことが可能だったのである。いずれも対面ではあるがヤンドロスの汎用性の高さ、火力の優秀さが改めて示された結果となる。
…ダイマックス禁止によりランドロスが飛行技を採用しなくなり7世代のような役割が復活、ポリゴン2、ウーラオス、ゴリランダーなども加え使用率上位の一般ポケモンを幅広くカバーできるようになることから汎用性がこれまで以上に高まった。ヤンドロスの鉢巻も大変有用だがヤッシブーンも有利対面からの鉢巻インファイトで裏から出てくる伝説を消し飛ばしたりできるためどちらにも持たせたいという悩ましい問題が発生することとなった
/…シリーズ10のルール変更によりヤティ姉妹も評価を見直されることになった。禁止伝説の存在は禁止伝説を受けるために火力を削って耐久を確保したポケモンを増やし、それがヤティの役割対象になったのである。サンダーはその典型的な例である。そしてダイマックス禁止はヤティの持ち味である拘り眼鏡による等倍ごり押しを可能にし、受け出しの不安(役割対象の不足)と火力不足を同時に解消し、カバラグ等のステロ要因を葬る草蒸すび、ザシアンに差し込むマジフレなどサブの充実も刺さりの改善と相まって活きる結果となった。特にメガクチートよろしくザシアンとの組み合わせはタイプの補完も役割の補完も優秀でとあるヤティアス入りの構築はレート2000を達成することとなった。やったね。
総括
8世代はダイマックスというサイクル戦と相反するシステムが導入され役割論理という戦法の成立が心配されたものの(3世代連続)無事、その役割を本世代も全うすることとなりそうです。毎シーズンとはいかないものの時たま1900、2000到達の報が届いていたのがその証拠とも言えます。ただ個人的に8世代になって悩ましく思うことは
・基本的には火力>耐久という価値観だった役割論理においてダイマックスの登場により火力よりも耐久がまず求められる=火力の高いヤケモンが落第し結果的に耐久ポケモンを崩しにくくなること(役割を持ちにくいが持たれにくいヤケモンの減少)
・ヤシレーヌ・ヤゲキッスが使いにくくなったことによるドラパルトの重さ ダイマカイリューというどうしようもない存在の存在
・こだわりアイテム持ちをダイマさせるプレイング難度
・ウーラオス、フェローチェ、エースバーンなど格闘冬の時代を生き残った格闘枠に役割を持てないエスパーヤケモンの価値の大暴落
・鉢巻ウオノラゴン
特に1・2番目に関しては、深刻なものだと思っています。7世代で言えばメガヤラクロスでゲンガーやゲッコウガを倒す…そんなサイクルを崩す能力に加え耐久と火力のおかげで面倒な連中を対面で対処する存在が少なくなってしまいました。2番目もレヒレの火力程度じゃ保険起動させると対面で勝つことも難しいのが悩みどころですね。
今世代は過去にないほど議論の回数があったため、したがって使用したヤケモンの数も多く、7世代に比べて強くなったり、弱くなったり世代の中で使いやすくなったりするヤケモンがいてそれ自体は楽しかったですね。(どうしようもない候補は本当にどうしようもなかったですが…)後は論者の方がレンタルチームをのっけてくれる為育成難度の改善も相まって多くの候補を使うことができました。本当にありがとうございます。
長々と書き連ねてきましたがこの辺で8世代のヤケモン対戦史も終わりにしようと思います。ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
終わり